マヤ宗教とカトリックが融合したシンクレティズム宗教を持つチャムラ。撮影禁止の教会内は必見の価値あり!メキシコのチアパス州
メキシコ、チアパス州のチャムラは現代でもマヤ文化の一部を継承されているメキシコ唯一の町。
その宗教は現代では古代マヤのものとカトリックが融合され、あらたなチャムラ特有のシンクレティズム宗教として存在し、その様子を教会内で如実に見ることができます。
教会内を見た感想は、今まで見てきたメキシコのどの教会とも異なる非現代的、幻想的、時には異様ともいえる空間を体験することができました。
今回はそんなチャムラの教会「Iglesia de San Juan Chamula サン フアン チャムラ教会」を訪れましたのでご紹介したいと思います。
チャムラ教会はチャムラの町の中心に位置し、中央広場と隣接している場所に存在しています。
中央広場にはいくつかの出店があり、果物やアイスや食べ物などを購入することができます。
私が訪れた時は時間が遅かったのもあり出店数が少なかったのですが、通常であればかなり多くのお店が出ているようです。
中央広場を奥に進むとチャムラ教会が見えてきます。
古代文化特有の教会ということもあってか、観光客がチャムラ教会に入るためには入場料が必要です。
確か一人50ペソだったかと思います。教会横にチケット売場がありますのでそこで購入した後に入場しましょう。
チャムラ教会上部に刻まれている1522-1524はこの教会の建設日を表すものではありません。
これはスペインがチアパスに入ってきた時期であるのですが、ここチャムラの先住民はそのスペイン人と戦い征服を阻止し勝利した年を表しています。
チャムラ教会は白を基調とした外壁に一部鮮やかな緑色といくつかの絵画が特徴的です。
お花を表しているような外壁が、かわいらしいというか、この部位のみのカラフルで鮮やかなギャップがおもしろいですね。
これより先、教会内は撮影禁止です。
係員さんに言われたのは撮影だけでなく、スマホやカメラを外に出すこと自体禁止とのこと。
それを守れなかった場合4,000USDを請求されるようですのでご注意ください。
教会内に入ると、今まで私が見てきたメキシコのカトリック教会との違いに驚きました。
薄暗い教会内に入るとまず目に入るのが、教会内に広がる無数のロウソク。そして、床面を覆いつくす松の葉。
チャムラの人々にとって松は神聖な生命の木として位置づけられ、葉は生命を、幹は地球を、根は冥界を象徴しています。
教会では人々が「感謝」と「請願」をしています。
神に「感謝」する場合、神の前にあるテーブルにロウソクを捧げます。
教会内の外周には多くの神が崇拝されているのですが、その前のテーブルに捧げられている無数のロウソクが「感謝」の多さを物語っています。
「請願」つまり神へお願いをする場合、その人は床に多数のロウソクを立て祈ります。
例えば、チャムラの原住民の多くが古代の信念を尊重しているため現代の科学や薬といったものを信じていません。そのため薬局に行くことを拒否する代わりに、その治癒を教会にて神にお願いするのです。
彼らは床に多数のロウソクを立て祈りを捧げるとともに、神が欲すると考えられるジュースやアルコールなどの飲み物を捧げます。長い祈りの後に取り出すのは生きた鶏。その鶏をロウソクの上を通した後に病気の患者の上を通すと、その鶏がその病気を吸収すると言われています。病気を吸収したその鶏はその後食べることができず、埋葬されます。
病気が精神的なものである場合、それを吸収した鶏が死ぬことは病気も無くなることを意味し、そのような鳥は死んだ時点で病気が無くなるため食べることができるようです。
また通常のカトリック教会では、人々は神に自分の間違った行いをする「告解」や「懺悔」を行いますが、ここチャムラ教会ではそれが行われません。実際に教会を訪れるとわかるのですがチャムラ教会の神々はその首に鏡をさげ持っているのですが、その鏡は祈るひとの行動をすべて写し出し、犯された罪の自己告知となるため神への告知が必要ないのです。そのためチャムラの人々は個々で祈り捧げるのです。
さらに、マヤ文化は太陽と月を神としてしてみなしていたため、ここチャムラではイエスは太陽のようになり、メアリーは月のような象徴となりました。夏至は最も日光を浴びる日であるため、チャムラにとって最も重要な日でもあり、その日は聖人を祝う盛大なお祭りが開催されます。
教会内の無数のロウソクと床の松の葉、そしてロウソクを立てて祈っている町の人々はこここでしか見ることができない貴重な体験でした。
古代の信仰は時にとても厳しいものでもありますので、みなさんにはルールを守ってもらいながら是非ここチャムラ教会を実際にみてもらいたいと思います。
それでは良いメキシコ生活を!!