ジムニーの冷却水漏れ!JB23、JM23 AZオフロード4型のラジエター交換方法と必要工具を詳しく丁寧にご紹介!
ある日、信号待ちでなにやらボンネット付近からうっすら蒸気が出ているのが見えたのです。
クルマを停めてボンネットを開けてみると、あまーい香りが漂っています。
これはもう冷却水漏れですね。リザーバータンクの冷却水も少なくなっています。
自動車の冷却水はお菓子のような甘い香りが特徴。あたたまるとその香りはいっそう特徴として現れます。一度匂いを嗅いだことがある人ならすぐにわかります。
ラジエターはエンジンを冷却するための部品の一部で、エンジンの熱を吸収し、このラジエターで放熱することで温度を管理しているような部品です。つまり熱交換器です。ここで冷却水が漏れてしまってはこの機能が無くなり、最終的にはエンジンがオーバーヒートしてしまい、壊れてしまうことになります。

ボンネットを開けて確認してみると、ラジエター上部アッパータンク部とコアのカシメ部分がかなり湿っているようでここらあたりから冷却水が漏れている模様。

ラジエターを交換します!
ということで今回ラジエターを交換するために必要な工具や部品をメモがわりにご紹介いたします。
一部不足があるかもしれませんが参考にしていただければと思います。
まずは交換するためのラジエターや周辺機器を購入します。
今回購入したのはラジエターとラジエターホースのセットです。
今回の本題であるラジエターはもちろんですが、ラジエターから各機器に冷却水を送付するホースも新品にします。

ラジエターはマニュアル車かオートマ車かによっても違いますし年式にもよりますので、みなさん購入するお店にて事前に車体番号などから適合を確認してくださいね。
今回購入したホースはエンジン側の経路を含めて4本セットのものでしたが今回使用したのはラジエターとエンジンをつなぐ2本のみです。

私のジムニーは2004年製造のクルマですので、特にゴム類関係の不具合というのは今後いつ起きてもおかしくはない状態ですので、こういった機会に同時に交換してしまうのがおすすめです。
なにより、ゴム関係の補器類は硬く固着してしまっていることも多く、はずすのにも一苦労することが多々あります。そういった時にはカッターなどでホースを切ってはずすのが一番簡単ですし、時にはがんばって丁寧にはずそうとしていたにもかかわらず少し力を入れていたら破れてしまったということもあります。そのため新品にしてしまうのが整備するのにも簡単安心です。
ホースは4本セットのものを購入しましたが、今回は交換するラジエターからつながる2本のみ使用です。
また、購入したホースは純正のものより肉厚で、純正のホースクランプがはまりませんでしたので、マイナスドライバーで締めることができるホースクランプと、入れ替え用の冷却水も準備しましょう。
詳細は交換手順詳細にて説明しています。


ラジエターとラジエターホースの交換に今回使用した工具は以下になりました。

①10mmのメガネレンチ
②ラチェットハンドル
③10mmのソケット
④10mmのソケットレ60mmロング
⑤ペンチ
⑥マイナスドライバー(コネクターのツメを押せる小さいものがおすすめ)
⑦カッター
⑧ハンマー
⑨内装剥がし
⑩ビニールテープ
⑪グローブ 軍手など
さあ、それではラジエターの交換開始です!
が、注意点としては交換は走行直後など冷却水が熱い時には控えましょう。
暑いときはラジエター内の圧力が高く、交換時に熱い冷却水が噴き出してくる可能性があります。
火傷の恐れもありますのでくれぐれも冷却水が冷めているときに交換してください。
また、安全のため⑪グローブ 軍手などはかならず装着してください。エンジンルーム内は突起物や鋭利な部位もたくさんあります。ただ触るだけでは問題ありませんが、何かの原因で勢い良く接触してしまうと簡単に皮膚は切れてしまいます。
軍手がお手頃ですが、工具の取り扱いやすさなどを考慮すると手のひらが滑り止めになっているグローブがおすすです。ホームセンターなどで安ければ100円以下で購入できます。
ラジエター交換のおおまかな流れは以下です。
1.周辺機器の取り外し
2.ラジエターファンの取り外し
3.ラジエターの取り外し
4.新品ラジエターの取り付け
5.ラジエターファンの取り付け
6.周辺機器の取り付け
7.冷却水の補充
ただし、4,5,6に関しては1,2,3の逆の手順ですので、1,2,3,7をメインにお伝えいたします。
ここまで前置きが長かったですが、さっそく作業開始!
まずは、ラジエター内の冷却水を抜きましょう。
冷却水はラジエター下部のドレンボルトを外すことで、抜くことができます。

もう少しアップで。

もうちょっとだけ拡大。

このプラスチックのドレンボルトを回して取り外すと冷却水を抜くことができます。
私は手で目一杯の力で回してみたのですが、動かず、、、
そのため⑧のプラスチックハンマーで優しくたたきながらボルトを緩めました。
プラスチック製品ですので優しく優しくたたきましょう。
冷却水は環境に良くないものですので、真水のようにそこらへんにまき散らしながら廃棄してよいものではありません。
そのため、出てきた冷却水はしっかりと回収しましょう。
私はダイソーなどの100均のゴミ箱にゴミ袋を設置し、その中におむつを沢山入れておいたものに冷却水を集めます。冷却水を吸ったおむつを燃えるゴミとして廃却しています。

ちょっと見えづらいですが、ドレンボルトを緩めて冷却水を回収している様子です。

ここで、冷却水の抜きを良くするためにラジエター上部のラジエターキャップを外します。
キャップをはずすことでラジエター上からエアが入り冷却水の抜けが良くなります。

ラジエターキャップの外し方は押しながら半時計まわり(ボルトをはずすように)に回していきます。

私は場合は手のひらで押しながら回します。すると、簡単に取れます。

予算に余裕があれば、このラジエターキャップも新品に交換しましょう。
このキャップはラジエター内の圧力を調整する重要な部品のひとつでもあります。
冷却水が抜けたら、ラジエターやラジエターファン周辺機器の取り外しです。
ラジエターとエンジン間の冷却水の経路である、ラジエターホースを外します。
どのホースを取り外すのかわかりやすいよう、はじめに交換後の写真をのせております。

写真、青いホースが今回最終的に交換するホース2本ですが、ラジエターファンを取り外す経路を確保するためにとりはずす必要があるのは、ひとまずラジエター上側のアッパーホースです。

ここからは交換前の写真です。交換前のホースは黒色です。
まずはホースのラジエター側とエンジン側のホースクランプを⑤のペンチを使いながらずらしてホースを外しやすいようにします。
下記の写真はラジエター側のホースクランプをずらしている様子です。
長年使用しているホースですのでホースクランプの形がくっきりとついているのがわかります。

ホースを⑥マイナスドライバーや⑨内装剥がしでこじりながら、ラジエターから取り外します。

老朽化しているホースはホースを傷めずに取り外すだけで一苦労です。
今回は新品のホースに交換しますので、⑦カッターを使用してホースを切ってしまってもOKです。
切ってしまえば簡単にホースを外せます。古いホースは廃却です。
エンジン側のホースもホースクランプをずらした後に、こちらはカッターで切ってホースを外します。

最終的にラジエターを外す際にも外れていることが必要なラジエター下型のロアホースもこの時点ではずしておきましょう。ロアホースはエンジン側のみ取り外すだけでOK。ラジエター側は今は外す必要がありません。
エンジン側のホースクランプのみずらして、同様にカッターで切って取り外しておきます。


続いて、ラジエターファンを取り外すスペース確保のため、エアコンホースのラジエターとの固定を解きます。

①のメガネレンチ、もしくはより簡単に②ラチェットハンドル+③ソケットレンチで取り付けブラケットをラジエターから取り外します。

同じく、スペース確保のためラジエターからリザーバータンクへつながるホースをとりはずします。

ホースは手で引っ張れば簡単に抜くことができます。

今後の作業性を良くするためにリザーバータンクも外してしまい、ホースと共にエンジンルーム外へ出しておきましょう。
リザーバータンクは上に引き上げると取り外すことができます。

リザーバータンク内の冷却水もオムツに染み込ませ廃棄してしまいましょう。
続いて、ラジエターファンに取りついている配線を外します。

ラジエターファンを動かすための電源供給のための配線です。
ラジエターファン中央モーター横にコネクターが出ていますのでこれを外しましょう。

コネクター中央ツメを⑥マイナスドライバーで押しながら灰色のコネクターを引き抜きます。

外したコネクター配線をたどっていくと配線がラジエターファンにクリップで取り付けられているのがわかりますので、このクリップを取り外します。

⑨内装剥がしをクリップ根本に入れてグイッとテコの原理でとりはずします。

これでラジエターファンにつながる配線をとることができました。
ここまでで、周辺機器の取り外しが完了です。
ここからはラジエターファンの取り外しへ進みます。
ラジエターファンは10mmボルト4ヶ所でラジエターへ固定されていますので、これを取り外します。
まずは上側の2ヶ所。


①のメガネレンチ、もしくは②ラチェットハンドル+③ソケットレンチで取り外します。
写真ではエアコンホースが取り外せていませんが、このブログの通りに進めていっている皆さんはすでにホースがぷらんぷらんになっているかと思いますので、ラチェットも問題なく入るはずです。

下側の2ヶ所の10mボルトを緩めます。
画像はラジエターホース交換後(青色ホース)のもので、車体下側から撮影したものです。
ボルトを緩める時には車体下側からアクセスします。

ホースがあるので①のメガネレンチが入りやすいですね。

この、下側のボルト2ヶ所は緩めるだけでOKです。取り外さない方がボルトを無くすことなく便利です。
緩めるだけで良い理由は、ラジエターファン側の取り付け穴が半円のため、緩めるだけでラジエターファンを上側にずらして取り外すことができるからです。(写真はとりはずした後のラジエターファンです。)

ラジエターファン本体の取り外しです。
エアコンホースを後ろ側にずらすことでスペースを作り、ラジエターファンを上側に引っ張りながら取り外します。


ラジエターファンの取り外しが完了しました。
続いてラジエターの取り外しです。
ラジエターは10mmボルト2ヶ所で取りついていますので、これを取り外します。

車体右側は①10mmメガネレンチ、もしくは②ラチェットハンドル+④10mmソケット60mmロングが良いかと思います。


通常の10mmのソケットではブラケットに干渉して使用することができませんでした。

車体左側は逆に ②ラチェットハンドル+④10mmソケット60mmロングの組み合わせだとがボディーに干渉気味になりますので、①10mmメガネか②ラチェットハンドル+③10mmソケットの組み合わせが良いです。

これでラジエターを外すことができます。
ラジエターはそのまま上に引き上げて取り出しましょう。
とりはずしたラジエターはこんな感じ。

良く確認するとラジエター上部のカシメ部分からかなり漏れているのが確認できました。
一部は漏れ出してラジエター下部まで垂れてしまっている状態です。


新ラジエターを取り付けるため、新ラジエターを旧ラジエターが外れた時と同じ状態にします。
ホースは新品を使用しますが、ボルト、ホースクランプなどを旧ラジエターから新ラジエターへ移植します。

ホースブラケットは⑥マイナスドライバーを入れて詰めを開けながら開けます。

そして②ラチェットハンドル+④10mmソケット60mmロングにて取り外します。

ホースクランプも新ホースへセッティングし、新ラジエターへまずはロアホースのみ取り付けていきます。


しかし、ここでトラブル発生です。
新ホースを使用した場合にホースクランプが入ってくれません。
何度もホースクランプを開きながら試してみたのですが、どうしてもラジエターのホース抜け止め用の山を越えてくれません。
うーんと悩みながら、新旧のホースを見比べてみて納得しました。
新ホースは肉厚が旧ホースより厚いため、ホースクランプをMAXで開いた以上の径になっていると考えられます。


ということで急遽ホームセンターでホースクランプを購入してきました。
これであればかなりの幅の調整が可能です。


新ホースはすべてこの調整式のホースクランプで留めることにします。
無事新ラジエターの準備が完了。
(写真はラジエターファン用のボルトの移植完了前です。)

ここからは取り外しと全く逆の手順で進めるだけです。
ラジエターの取り付けは2本の10mmボルトのみでしたが、下部に取りつけピンがあることだけ注意してください。

この取り付けピンを車体側の取付穴に入れるようにラジエターをセットしていきます。
(位置決め穴は写真では1つしか映っていませんが実際には左右に2ヶ所あります。)

これだけわかればラジエターの取り付けは簡単。

エンジン側とのホースも調整式のホースクランプで取りつけています。
そして、ラジエターファンや周辺機器も逆の手順で取り付けです。

機器はすべて取りつきました。
最後に冷却水の補充です。
今回の交換では4.5Lの冷却水が必要でした。内訳はラジエターへの補給4L、リザーバータンクへの補給0.5Lです。
私の場合は綺麗に洗った空のペットボトルを使用してジョウゴのようにラジエターに冷却水を補充していきます。
ペットボルトのキャップ部に⑩ビニールテープを巻いて、ラジエター給水口の径に合わせます。


ペットボトルキャップ周りをビニールテープでしっかり塞いだら、冷却水をペットボトルに補充していきます。

ある程度ラジエター内に冷却水が入って、それ以上入らなくなったところでエンジンを始動。
この時はペットボトル内に冷却水が1/3程度たまっている状態にしてください。
ここからエンジンが温まるまでアイドリングをします。
しばらくすると、またペットボトルからブクブクとエアが出てきて、その代わりに冷却水が入って行きます。
冷却水が減ったらペットボトルに冷却水を補充ということを繰り返してください。
これをしばらく続けることでラジエター内のエアを排出していきます。
また、ここでホースなどの継ぎ目から冷却水が漏れていないことを確認してください。
私の場合は結局15分くらいはアイドリングをしてこのエア抜き作業をつづけました。
ある程度終わったら、後は通常走行をしながらのエア抜きで良いと思います。
通常、エンジンにエアが残っていいる場合は走行後冷却水が冷えた時にリザーバータンク内の冷却水が負圧で自動にラジエターに補充される仕組みになっています。
そのため、リザーバータンクの冷却水は最初MAX状態にしておき、走行を繰り返しながらリザーバータンク内の冷却水が減れば足すといったことを繰り返しながら様子をみましょう。
これにてJB23W,JM23W 4型車のラジエター交換が完了です!
一部記憶間違いなどで間違っている部分があるかもしれませんので、その際にはまた教えていただければと思います。
古いクルマは壊れることも多々ありますが、このような経験をすることで工具も揃えて、工賃も抑えることができ、自分のクルマにも愛着も湧いてきます。
みなさんのできる範囲でメンテナンスを楽しみましょう!!
それでは良い生活を!!