JB23 ジムニー/JM23 AZオフロードのブレーキラインのエア抜きを一人で行う手順!ブレーキフルードの交換も!画像多数で丁寧に解説!一人でも簡単にできる
JB23W ジムニーやJM23W AZオフロードのブレーキ配管のエア抜き手順をご紹介いたします。
リフトアップなどでブレーキホースを交換した際など、ブレーキライン(配管)内のブレーキフルードが無くなってしまった場合に必要な作業です。古くなったブレーキフルードの交換も同様な作業手順ですので参考にしてみてください。
2人で行うと簡単なのですが、この作業が一人で行う場合少しばかり道具が必要です。
今回はこのブレーキフルードのエア抜き・交換を1人で行いましたので、そのために必要な工具や道具、手順などをここに書き留めておこうかと思います。
まずはブレーキの構造を簡単な漫画で説明いたします。
一般的なクルマと同じくJB23 ジムニーやJM23 AZオフロードも油(ブレーキフルード)圧によってブレーキピストンを動かし、タイヤと連動しているディスクローターを挟み込むことでブレーキをきかせています。(リアブレーキは少し構造が違いますが、油圧によって動かすということは同じです。)
ブレーキフルードは圧力をかけても体積変化がほとんどないため、ブレーキペダルからの力をしっかりブレーキピストンに伝えることができることで実現できている機構です。
しかしながら、ブレーキホースの交換などでブレーキライン(配管)にエア(空気)が入り込むと、空気が圧縮してしまうだけでピストンに力を伝えることができず、ブレーキが効かない状態になります。そのためこのブレーキライン内のエアを抜き取る作業が必要です。
こういった作業を想定して、クルマには初めからこのエア抜きができるような構造になっています。
具体的にはブリーダープラグが付いているため、このプラグを開閉させることでブレーキラインのエアを抜くことができます。
ブリーダープラグを開けながら、ブレーキペダルを踏みこむことでエアを抜くのですが、そのままブレーキペダルを戻すとエアが逆流してしまいます。そのため通常であれば1人がブリーダープラグを開けるのと同時に、もう一人がブレーキペダルを踏み、エアを抜きます。そのままブレーキペダルは踏み込んだままにした状態で、ブリーダープラグを閉めエアが逆流することを防止した上で、ブレーキペダルを戻します。このようにブリーダープラグを開閉する人とブレーキペダルを踏む人2人がいるとスムーズにエア抜きができます。
ただし、今回は私一人しかいないためワンウェイバルブ(逆止弁)を使ってエア抜きをしていきます。
2人でやる作業に比べてこの逆止弁の購入が必要になってくるのですが、そこまで高価なものではありません。購入、使用することで一人でも簡単にエア抜きをすることができます。
今回ブレーキラインのエア抜き作業に私が使用した工具や道具、消耗品などはこちらです。
①8mm/10mmメガネレンチ
②ラジオペンチ
③ワンウェイバルブ
④内径5mmの耐油ホース 10cm
⑤内径6mmの耐油ホース 50cm
⑥非鉱油系ブレーキフルード 500ml (心配な人は2缶)
⑦空の500mlペットボトル
⑧ビニールの紐(簡単に結べる紐であったら何でもよい)
③ワンウェイバルブは私はSTRAIGHTさんのものとASTRO PRODUCTSさんのものをどちらも使用したことがありますが、どちらも問題なく使用できました。包装以外はほぼ同じものです。STRAIGHTさんのものは適用チューブ内径φ4mmと包装に記載がありましたが、φ4mmホースはきつくて取り付けることができなかったため、私は内径φ5mmのチューブを使用しました。その結果どちらのワンウェイバルブも内径φ5mmとφ6mmの耐油ホースでエア抜きを実施できています。
ワンウェイバルブは逆止弁です。
本体に矢印が記載されており、その方向にのみ液体が流れることができる構造のバルブです。
④⑤耐油ホースはホームセンターの、ホースを取り扱っているコーナーで簡単に見つけることができます。
私はコーナンで購入しましたがφ5のホースは165円/m、φ6のホースは198円/mと安価で購入可能でした。10cm単位で購入可能です。
③購入したワンウェイバルブにはホースクリップが付属していますので、②ラジオペンチを使用して事前に④⑤のホースを取り付けて使いやすいようにしておきましょう。
⑥ブレーキフルードは非鉱油系のものを選択してください。一般的なクルマは非鉱油系のものを使用していますので、ホームセンターで売っているものはほぼこのタイプですが、念のため確認してください。
使用状況によって選択するグレードなどが異なるのですが、私の場合はレースに参戦するわけでもなく通常使用だけですのでホームセンターで売っている一番グレードが低く安いもので十分。今回はTOYOTAさん純正のものですが、ホームセンターにあった一番安いものということでこれをを選びました。
このエア抜き作業において注意していただきたいのが、リザーバータンク内に常にブレーキフルードが補充されている状態にすることです。
これからエア抜きをしていくとエアと共にブレーキフルードもある程度抜けていくのですが、その抜けた分をリザーバータンク内のブレーキフルードが自動的にブレーキライン(配管)内に補充されていきます。もしこのリザーバータンク内のフルードが無くなってしまうとブレーキフルードが補充されず、代わりにエアが補充されてしまい、結果エア抜きどころかエアがより入り込む自体になってしまいます。そのためエア抜き作業中には常にリザーバータンク内にブレーキフルードがある状態にしてください。
ブレーキフルードのリザーバータンクはエンジンルーム内右側にあります。
エア抜き作業中は途中途中でここのブレーキフルードの容量を確認し、Minラインくらいになったらブレーキフルードを補充するようにしましょう。
ブレーキのエアを抜くブリーダープラグはフロントは左右に2か所、リアは左に1か所の計3か所です。
エア抜きはマスターバックというブレーキの圧力を強める機構から遠い順に作業していくのが通例ですが、JB23 ジムニーやJM23 AZオフロードの場合はリア左→フロント左→フロント右の順になります。
早速リア左側から作業開始です。
画像はタイヤがはずれている状態ですが、タイヤが付いている状態でもエア抜きは可能です。ただし、タイヤが付いていると作業スペースが狭くなるため少しばかり作業が大変になります。
ブリーダープラグにはゴムのキャップが付いていて、力まかせに取ることができます。
ブリーダープラグに、8mmメガネレンチを通して、その後に準備していた耐油ホースとワンウェイバルブを取り付けます。
耐油ホースのブリーダープラグとの取り付けとワンウェイバルブとの取り付けには、ワンウェイバルブに付属してきたホースクリップでしっかりと外れないように抜け止めします。
ブリーダープラグと反対側の内径φ6の耐油ホースは空のペットボルトに入れて、後ほど出てくるブレーキフルードを溜めていきます。こちら側にはホースクリップは必要ありません。
ここからブリーダープラグを挿し込んでいた8mmメガネレンチで緩めます。おおよそ1/8(45度)程度緩めるとよいでしょう。
この状態になったら運転席に乗り込み、ブレーキペダルを繰り返し何度か踏んでください。
ペダルが踏み込めないくらい固い時はブリーダープラグの緩めが不足している可能性がありますので、さらに緩めた後にペダルを踏んでみてください。
ブレーキペダルを何度か踏み込むことができたらブリーダープラグとワンウェイバルブ間のホースがブレーキフルードで満たされていくかと思います。このホース内にいっさいの気泡(エア)が無くなるまでブレーキペダルの踏み込みを繰り返してください。写真では気泡がいっさい無いのがわかるかと思います。
気泡が無くなればエア抜きが完了です。8mmのメガネレンチでブリーダープラグを締めます。
ここまででリア左側のブレーキラインのエア抜きが完了。ホースを外し、ブリーダープラグのゴムキャップを戻します。ブレーキフルードが付着してしまったら水で流しておきましょう。
ここまでの作業をしている間、先にもお伝えしたようにボンネット内リザーバータンクのブレーキフルードが空になっていないことを確認し、無くなりそうであれば都度補充してください。
つづいてフロント左のエア抜きに進みます。
リアができればフロントもほぼ同じですので簡単です。
リア側との違いはブリーダープラグのサイズが10mmになることだけです。
10mmのメガネレンチをブリーダープラグに取り付け、その他は同じようにホースなどを取り付けます。
取り付けが完了したらブリーダープラグを緩め、ブレーキペダルを踏みこみ、エア抜きを進めます。
ホースの気泡が無いことを確認して、ブリーダープラグを閉めてフロント左のエア抜きも完了!!
フロント右はフロント左と全く同じ(対称になるだけ)なのでサクッとやってしまいましょう!!
何度も言いますがこの間、リザーバータンク内のブレーキフルードが無くならないようにしてくださいね!
フロント右も完了!!
最後にリザーバータック内のブレーキフルードをMAXレベルまで補充して完了!!
エンジンをかけてゆっくり走らせてブレーキが効いているか確認してください。ブレーキに問題なさそうであればいったんOK!
しかしながら、ここでブレーキが効いていても数日間は安全走行&走行前後でリザーバータンク内のブレーキフルードが減っていかないか確認。ここまで確認してブレーキフルードが減っていなければ完了です。
お疲れさまでした!!
道具があり慣れてしまえばエア抜きだけで30分あればできるようになってしまいます。
最初は半日くらい時間を確保して余裕を見ながらチャレンジしてみてください!
それでは楽しい人生を!!